株式会社銀閣寺大西

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卸売業・小売業

52 飲食料品卸売業

取り組んでいる行動

①肉用牛は大きく『肥育』と『繁殖』の二つに分類され、一般的に市場流通しているのは『肥育』に分類される肉用牛です。一方、『繁殖』に分類される牛は母牛と呼ばれ、生後2年くらいから3~4回の出産を経て約10年でその役割を終えます。役割を終えた母牛はその境遇により肉質や味に難があり、廃用母牛としてミンチ・ペットフード・肥料へ活用される場合もありますが、廃棄されるケースも散見されます。この廃用母牛の取り扱いは、業界内でも長年問題視されてきました。そんな中、弊社では、役割を終えた母牛が価値のないものとして取り扱われることに疑問を感じ、廃用でなく「大切な食用牛」として扱えないかと考えました。動物福祉の観点から、健康的かつストレスフリーな生活を一定期間再度送れるように管理する『再肥育』体制を整え、良質な赤身の多い食用牛への改善に取り組んでいます。その結果、廃用母牛から脂の少ない赤身主体の牛肉の生産が可能となりました。役割を終えたから廃棄するのではなく、最後まで必要とされる食用牛を飼育することは、持続可能な食産業の一つになると考え、飼育に取り組んでいます。
また、廃用母牛が食用として流通することは、生産者の収入増加にもつながります。肥育の仕事の平均年収は330万円台と低く、肥育農家減少の一因となっています。母牛の赤身の多さを売りとし、その特徴をアピールした販売を進めることで、生産者側は収入増加、購買側は従来の平均よりも安価で購入できるという相互のメリットとなっています。

②メタンガスは二酸化炭素の25倍の温室効果があるといわれています。メタンガスの18%が牛などの動物由来とされ、そのうちの90%の発生源が牛と言われています。この牛からのメタンガス発生を抑制する手段として、近年注目されているのが、餌に亜麻仁油脂肪酸カルシウムを給与する方法です。メタンガスは牛の第一胃内の水素がメタン細菌に結びつくことで発生します。不飽和脂肪酸の割合が高い亜麻仁油を原料とした亜麻仁油脂肪酸カルシウムを餌に混ぜることで、胃の中の水素と不飽和脂肪酸が結合して飽和脂肪酸となり、メタンガスの発生が抑制されます。弊社はこの亜麻仁油脂肪酸カルシウムを採用することで、環境問題にも貢献しています。